SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
特別扱いだって、したこともない。
可愛い子にだけ優しいとか、わかりやすいやつもいたけれど。
俺はそんな面倒くさいことなんかする気もなくて。
まあ、彼女を作ろうだなんて考えてもいなかった頃だしね。
同じサークル内の女の子には、みんな同じようにしてきたつもりだ。
それが、少しずつ…。
どうも妙な感覚に襲われるというか。
何と言えば、いいんだろう。
どうも、胸がざわつくというか。
ある日、突然、――――。
飛鳥が家を尋ねてきた。
あの件以来、―――。
俺たちには、微妙な距離があったことは事実。
その俺たちの間に、裕木亜澄ではなく、今度は未紗子が入ってきたのだ。