SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
「迷惑だなんて、思ってないよ。
ただ、―――。」
「ただ、何?」
大きな黒い瞳が、私を真っ直ぐに見つめていた。
「…飛鳥は…、私と一緒にいていいの?
楽しいのかなって…。
私、普通だし、そんな面白くないし…。」
「私がね、亜澄と一緒にいたいんだよ。
でもね、亜澄が困ってるなら…。
友達を困らせたくないから、――――。」
「……っ!!」
友達って言葉に、心がピクンと反応した。
「何かしらのメリットを求めてやってくるような子たちは、嫌い。
あの人たちにメリットはあっても、私には何にもないもん。
私だって、普通だよ。面白くもないし。
でも、亜澄と一緒にいると楽しいよ。
亜澄は私に何も求めてこないでしょ。
同じクラスになってからずっと、ちゃんと観察してたんだから。
ジョシュアのシャーペンの子って。」
「飛鳥…。」
「でも、うん…。亜澄に迷惑がかかるなら…、うん。」
長い睫毛がゆらりと揺れて。
少し悲しそうに視線を逸らした飛鳥に、何故か胸がきゅんとした。