SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
大哉を、――――。
葛西大哉を紹介してくれたのも、飛鳥。
高校2年生。
夏休み前だったと思う。
「ひゃーっ…。」
返ってきた模試の結果が、あまりにも酷くて。
さすがにこれは、…ヤバいって、机に突っ伏して項垂れていた。
本来、不器用で、同時進行に物事を進められない、私。
勉強と部活の両立が、なかなか上手く出来ない。
「あー…。」
どっちも中途半端。
結局が、共倒れ状態。
後もう少しで引退なんだもん。
本音を言えば、部活を優先したい。
でも、この成績じゃあ、塾へ行けって言われるだろうなぁ。
なーんて。
CとかDとか並ぶ結果を、じーっと見つめながら、唇を噛みしめる。
「眉間のシワっ!!」
ペチッという音を立てて、私の額に刺激が走った。
その瞬間、するっと持っていた用紙を奪われて。