SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
「…僕もあの場に、いたんだよ。」
青藍さんの瞳に宿る、悲しげな色。
「え…。」
語られた真実に、茫然とする私。
あの日、保健室にはもう一人、いた。
自由に保健室を利用で来て、学校側から文句を言われない、唯一の人物。
「僕は、寝てたんだ。
カーテンを閉めて。
いつもの、一番奥のベッドで、―――。」
「嘘…。」
そんな話、聞いてない。
飛鳥は、青藍さんの名前なんて、出さなかった。
「人が倒れるような音がして。
何かを引っぱたくような音が聞こえたんだ。
最初は何か、わからなかったよ。
だけどね、―――。」
『…っ、いやあっ!!』
「すぐに飛鳥ちゃんだとわかった。
慌てて飛び起きて、―――。
揺れているカーテンの隙間から…見えたんだ。」
「…っ!!」