SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~

狭いベッドからはみ出した、飛鳥の長い脚。


それを押さえつけるように、太ももに伸びた大きな手のひら。



神聖な学校の、―――。



しかも保健室で。



飛鳥は身も知らずの男に、襲われていた。



「僕は無我夢中だった。


思わず、そこにあったパイプ椅子で、―――――。」



「うああああっ!!」」



力任せに振り下ろした椅子は、相手の背中を直撃する。



その衝撃で、―――。



飛鳥の上に、沈む身体。



「ひっ!!」



真白なカーテンが、赤の飛沫に染まる。



「どれぐらいの力で殴ったとか、正直、わからなくてさ。


人を殴るなんて、そんなの始めてのことだったんだ……。」


「あ、飛鳥はっ…??」


「自分の上に倒れてきた男から逃げようと必死だった…。」



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