SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~



「…私が聞いた話と…違います。


保健室で襲われて、―――。


間一髪のところで先生が戻ってきて…。」



先生の叫び声を聞いた男は、そのまま窓から逃げていった。


だけど、顔がわかっているだけに、誰だかすぐに突きとめられて。


飛鳥の所属していた事務所の、専属の弁護士が間に入り双方が合意の上で解決をみせた。


男はそのまま自主退学となり、学校側はこの件に関して沈黙を守る。


飛鳥は撮影ということにして、入院し外部との連絡を絶った。



「お…大人なたちが全部上手くいくようにってしてくれたから、納得していたつもりだったけれど、時間が経てば経つほど、心が付いていかなかったって…。」



あの日飛鳥は泣きながら、


「学校に来るのが、辛かった…。」って、―――。


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