SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
「写真で生計を立てたいだなんて夢みたいなこと…。
誰にも話したことがなかった。
飛鳥ちゃんに言ったのが…初めてだったんだ。」
「そうだったんですか…。」
写真の中の飛鳥は、私の知っている飛鳥だった。
お化粧をして、雑誌に載る飛鳥ではなくて、普段の飛鳥。
大きな口を開けて笑う飛鳥を見た、瞬間。
「あー。」
駄目だ。
どうしようもないくらい、苦しい。
「…っ、飛鳥…。」
飛鳥が今、―――。
ここにいないことが悲しくて。
「何で、死んじゃったんだろ。」
そんなこと、今まで言ったことなんて、なかった。
大哉にだって、話したことない。
自分なりに、何とか乗り越えようって…。
だけど、―――。
青藍さんの前なら、許されるような気がして。