SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
「教えてください。」
「ん?」
「飛鳥のこと、―――。
私、飛鳥から青藍さんの名前を、聞いたことがなかったんです。
今日、ここにきて、思いました。
飛鳥はあえて…。
青藍さんの名前を出さなかったんですよね。」
「…っ。」
「あなたと飛鳥に、―――。
確かに愛があったのなら。
教えてもらえないでしょうか。」
アルバムの中の、1枚の写真。
「裕木さん…。」
大きく引き伸ばされていた、この写真。
「これ、―――。
飛鳥の、遺影の写真だ。」
あの写真を撮ったのは、青藍さんだったんだ。
携帯のカメラにすら、写り込むことを嫌がった、飛鳥。
光に当たった髪の毛がキラキラしてて。
カメラのレンズに向かって、自然体で写ってる。