SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~



「昨日ね、葛西先生と飛鳥のことを話したんだよ。」


「えー、どうせろくな話じゃないんでしょー?」


「ゲームをしている飛鳥には、近付いてはいけないんだって。」


「きゃははっ、当たり前じゃんねーっ。」


「私もそう思ったー。ゲームしてる時は集中したいもん。」



昼休み、――――。



いつもの渡り廊下。


私と亜澄はけらけらと笑いながら、お弁当を食べる。


痩せなくてもいいって言ってるのに、最近亜澄はダイエットを始めた。


そのおかげで、私は遠慮なく亜澄のお弁当にも箸を伸ばす。



「今日は?誰が迎えに来るの?」


「奏多―。」


「じゃあ、一緒に待ってるよ。」


「あ、いいのいいの。

奏多、ちょっと遅くなるらしくって、保健室待機。」


「えー、一緒に待つよ?」


「大丈夫だよ。あいつ、いつになるかわかんないって言ってたし。」


「そう?」


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