SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
「だけどねぇ、――――。」
―――――?
「亜澄、家庭教師、どう?」
「家庭教師?」
「そう。亜澄の都合のいい時間…。
例えば、塾に行く時間、ないんでしょ。
でも、空いてる曜日はあるわけじゃん?
土曜の午後とか、日曜とかさ。
家庭教師なら亜澄の空いた時間に、教えてくれるじゃん?」
「そんな都合のいい先生っているのかな。
だいたい、どこかに…。
うーん、家庭教師協会?みたいなとこ。
申し込まなきゃいけないんでしょ。」
そういうの、面倒くさいんだよね。
だいたいママが動いてくれるか…。
「それが、いるの。
私の従兄、なんだけどね。
国立のY大学の2年生なんだけどね、今、バイト探してるの。
亜澄の行きたい学部じゃない?
しかも、料金は破格の時給1500円でどうだっ。」
「飛鳥の、従兄?」
「うん、わりとイケメンだとは思うけど、草食系だし。
きっと、亜澄ママも気に入ると思うよ。
大人に印象いいから、あいつ。」