SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~




ショックだった。




大哉君は、私だけだって思ってたから。



このまま結婚して、家族としてずっと一緒にいるんだって、そう思ってた。



でも、―――。



私だって、大哉君と青藍を両天秤にして。



そうか、これが罰なんだって、



受け入れるしかない。



「何かね、気持ち悪いのよ。」


「えっ。」


「血の繋がり、あるんでしょう。


従兄妹同士のくせにべたべたしちゃって、前から気持ち悪いって思ってたんだ。」


「ずっと兄妹みたいに育ってきたから…。」


「もうやめてね。


葛西君はパパになるんだし、胎教に悪そうだもん。


二人きりで会うとか、まじなしで。


やだ、そういうの、近親相姦っていうんだっけ。」



亜澄の前で、泣くだけ泣いて。



私はこの現実を受け入れることにしたんだ。




もう、大哉君とは二人きりにならない。

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