SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
「そんな…。」
「未紗子が妊娠してたっていうのなら、それは俺の子供じゃないよ。
俺たちはこの事故の後に付き合いだしたんだ。
絶対に、無理だろ?」
「いろいろ調べたら、さ。
飛鳥の車、ブレーキオイルが漏れてたらしいよ。
新車なのにね。まあ、いろんなことがわかってきたみたいだけど。」
「どういうことですかっ。」
「それは俺たちが知りたいこと。
未紗子さんも知りたいのなら、一緒に調べようか。
その前に多分、大哉は別れる気だと思うけど。」
「嘘、―――。
なんかすごいことになってたんですね…。」
「何、言ってんだよ。
亜澄ちゃんが最初にぶっちゃけたくせに。」
飛鳥のお墓の前で、立ち話をする私と奏多君。
飛鳥にもきっとそこにいるような気がして。