SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
私は、塾を辞めて、2年間語学留学に行くことを決めた。
「今しかできないことを、すればいい。」
大哉にも、そう言って応援してもらった。
「2年くらい、待つよ」とも。
八木君が言ったように、大哉は意外とヤキモチ焼きで。
そんなふうに見てもらえること自体、私は嬉しくて仕方がない。
ずっとずっとしこりのように残っていた蟠りは、完全になくなったわけではない。
だけど、―――。
不器用だけど自分に正直に生きた飛鳥はやっぱり、格好いいと思う。
傷ついたのなら、傷ついた分、幸せになればいい。
私たちは、生きている。
それは、何度だってやり直せるんだってこと。
いつか、また飛鳥と会えるのなら。
私は堂々とこう告げたい。
「私、頑張ったよ」って。
だから、飛鳥、――――。
また、会おうね。
また一緒に、あなたと、――――。
fin