SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
◇ 飛鳥 2
◇ 飛鳥 2
「ねえ、亜澄。
来週の土曜って空いてる?」
4時限目の、体育。
体操服に着替えながら、飛鳥は私に視線を向けた。
「土曜日?」
何か予定あったっけ?
なんて考えてる段階で既に、予定は空いているわけで。
「買いたいものがあるんだけどね、ちょっと迷っちゃって。」
長い髪を高くひとつに纏めながら、飛鳥は器用にピンを差していく。
「買いたいもの?」
「うん、―――。
あ、大哉君も一緒なんだけど。
あの人じゃ、ちっとも役に立たないの。」
「葛西先生も一緒なんだ?」