SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
「…んんっ、…。」
ご褒美のように与えられた甘いキスに、酔わされて。
素直に躾けられた私は、彼の好みを演じていく。
「大哉、ご飯、行こ。」
「何が食べたい?」
「ハンバーグ。」
わざと子供っぽいメニューを口にする。
「よし、ハンバーグ、行くか。」
「やったねっ。」
何が正しいのか、わからない。
彼が、笑ってれば、いい。
彼を、――――。
大哉を、癒すのが、私の役目、だから。