いつまでも
それにしても。


"イサワ トキ"


これがあの、彼の名前。
どういう字面なのか、少し変わった響きを感じさせる。


知りたかったことの第一歩。
名前というのはかなり重要な情報だ。

たったそれだけで何故か嬉しくなった。


つい鼻歌を歌いそうになりながら、愛理への返信メールを組み立てる。

そこでふと、あることに気が付いた。


そういえば、イサワトキには彼女がいるんだろうか。


これでもし彼女がいるのなら、これ以上深く突っ込んではいけない。

万が一好きになってしまった場合、また辛い思いをすることになる。


先輩の時のように。


何故か彼女がいないことを期待している私は、そのことをお礼のついでに愛理に聞いてみることにした。
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