いつまでも
ようやく授業が終わり、待ちわびた昼休みとなった。

弁当箱と水筒を抱え、友人の机に駆け込む。


彼女はすでに弁当箱を開けて待っていた。


「お腹すいた、早く食べようよー」


そう言って子どものように頬を膨らませたこの少女、中野愛理は高校に入って1番にできた友人だ。



ご飯を食べながら、愛理に先輩の話をするのが私の日課。


「ーーそれでね、先輩がね、すっごく可愛くてね! 最早、萌えってやつ?」


昨日の部活で先輩がこんなことしてたとか、こんなこと言ってたとか、しょうもない報告ばかり。

それを愛理はいつも、笑顔で頷きながら聞いてくれる。
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