ただそれだけ
「俺は、ここの生徒だよ。」
「私も…」

私は身体が震えるのを必死に抑えて言葉を出す。



―――――――

翔は…なにか気に入らないことがあると、すぐ私を殴ってきた…泣き叫ぶと、もっとやってくる。

私は何度も殴られたり蹴られたり監禁されたりしたけど、いつかあの優しい翔に戻ってくれると信じて痛みに耐えた。


―――――――

ドカッ

「うっ、うぇっ!げほっ」
翔はすさまじい勢いで暴力を奮ってくる。

「うっ、お願いっ!もうやめて!きゃあっ!」

翔は顔や腕に傷はつけない。バレない所ばかり殴る。
「きゃあとかキモいんだよ!ブス!」

「いやぁー!うへっ。がっ!も…もう、やめて…」

力がはいんない…

「やめてあげなよ」

突然、低くて穏やかな声が響いた。

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