ただそれだけ
「――――うぶ!大丈夫!?」

あれ?

「あっ!ありがとうございました!!私、矢澤佐奈です!!」

私は思いっきり頭を下げた。そして、頭を上げた。

「俺は、矢野悠斗。よろしく」

あぁ、新入生代表の…

よく見ると、容姿がかなり整っている。
真っ黒な髪。真っ黒な瞳にパッチリとしていて、丸い目。

か、可愛いー!

「さっきの男…誰なんだ?」
「あれは、元カレ…殴られてたのはいつものことなの。」

あれ?なんでだろ?涙が出てる。

「うっ、………うぇっ………ひっく……」

その日私は悠斗の腕の中で泣いた。けど、それはすごく落ち着いた。

でも、私は簡単に恋はしない!!

そう決めたのに……
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