パズルのピースを繋いだら

一週間が過ぎ、その出来事も忘れかけていた頃。

バイトの女の子が帰宅し、私はひとりでレジの内側で閉店業務に追われていた。そんな閉店間際に、あの男性が再び店に訪れた。


「こんばんは、あの、この前はどうも。」


一瞬誰だか思い出せなかったが、口元に見えた八重歯がすぐに記憶を呼び起こしてくれた。


「ああ、いえいえ。彼女さん喜んでいらっしゃいましたか?」

「それがー……。」


男性は気まずそうに目を伏せると、鞄から取り出した白い袋をカウンターに置いた。

私がラッピングした時のまま、何も変わっていないよう。
< 14 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop