パズルのピースを繋いだら
「実は渡す前に彼女と喧嘩になって別れちゃって。」
「そう、なんですか。」
彼女にプレゼントを贈る彼と、半年記念を覚えている彼女。上手くいってそうだったのに。
そこではたと気付く。
「あの、もし返品をご希望でしたら申し訳ないのですが、当店では返品はお断りして……。」
「違うんです、今日来たのは。」
不意に目が合う。
淡い予感が胸をざわつかせる。
「これ、堺さんにどうかなと思って。」
名前を呼ばれて、ああそうだ、名札が付いているからだ、と跳ねた心臓を落ち着かせた。
私はすっかり営業中だということを忘れている。