パズルのピースを繋いだら

……と思っていたのに。


「ちょっと!何勝手に座ってんの?」


なんと、野方瑛がテーブルを挟んで向かいの椅子に腰を下ろした。


「ああ、バイトなら十一時までだからさっき上がった。」

「そういう問題じゃなくて!」


私の抗議にもへらへらした態度のまま。

すると、野方瑛の前にフレンチトーストとアイスコーヒーが運ばれてきた。


「は?」

「顔ぶっさいくになってんぞ。」

「うるさい!」


そして、あろうことか勝手に食べ始めた。


「んー、うまっ。」


本当に何者だ、このマイペース男は。笑顔で味わっている。空気を読むって言葉はこいつの辞書にはなさそうだ。

どうして私が見知らぬ男と二人で食事をしなければならないのか。
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