パズルのピースを繋いだら
「あのさ、」
「……。」
「カワウソと別れた?」
「別れてないし、これからも別れない。」
きっと睨め付け、パンケーキを頬張った。口の中に広がる甘さがないと、落ち着きを失ってしまう。
野方瑛は。はあー、と大袈裟に溜め息をつくと、テーブルに肘をついて手のひらに顔を乗せた。
「自分をちっとも好きじゃない相手と付き合い続けるメリットってある?」
呆れ顔でまたもや失礼な発言。
どうして聡が私を好きではないなんて言い切れるのか。昨日会ったばかりのくせに。
聡と私の間にあるものは、私たちにしかわからない。
「私ちゃんと愛されてますから。何にも知らないのに適当なこと言わないでくれる?」
「適当なこと言ってんのは亜梨実じゃん。俺だって根拠もないのに言わない。」
「根拠って何よ。」
「……いや、それは秘密。」
向こうから目を逸らした。飄々とした態度が崩れたのは初めてだ。
「言えないってことはないんでしょ?なんでそんなに別れさせたがるの?」