パズルのピースを繋いだら
私と聡が付き合っても別れても、こいつには何の影響もないだろうに。それこそメリットなど。
「……え、もしかして私のこ、」
「一応言っとくけど、亜梨実が好きとかじゃないから。勘違いすんなよ、ボケ。」
「……。」
むかつく!やっぱりむかつく!
野方瑛の発する一言一言は、私の苛々のツボを的確に突いてくる。
さっさと食べて出よう。このままここにいてもロクなことなんてない。
普段ならもっとゆっくり味わうけれど、一刻も早くこの場から抜け出したくて、十分な咀嚼もせずにひたすら飲み込んだ。
ものの五分で食べ終わり、伝票を掴んで席を立った。野方瑛は涼しい顔で優雅にフレンチトーストを食べている。憎たらしい。
「お会計お願いします。」
入口付近のカウンターに伝票を出すと、バイトらしき女の子はレジをいじくった後困ったような顔をした。