パズルのピースを繋いだら

私と聡が付き合っても別れても、こいつには何の影響もないだろうに。それこそメリットなど。


「……え、もしかして私のこ、」

「一応言っとくけど、亜梨実が好きとかじゃないから。勘違いすんなよ、ボケ。」

「……。」


むかつく!やっぱりむかつく!

野方瑛の発する一言一言は、私の苛々のツボを的確に突いてくる。

さっさと食べて出よう。このままここにいてもロクなことなんてない。

普段ならもっとゆっくり味わうけれど、一刻も早くこの場から抜け出したくて、十分な咀嚼もせずにひたすら飲み込んだ。

ものの五分で食べ終わり、伝票を掴んで席を立った。野方瑛は涼しい顔で優雅にフレンチトーストを食べている。憎たらしい。


「お会計お願いします。」


入口付近のカウンターに伝票を出すと、バイトらしき女の子はレジをいじくった後困ったような顔をした。
< 23 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop