パズルのピースを繋いだら
「ちょっと友達と約束あってさ。」
「そうなんだ。その友達はこの近くに住んでるの?」
「あーりの家とはそんな近くないけど。」
聡は首の後ろに手をやった。聡の匂いがふわっと、空中に漂う。
「だったら今度紹介してよー。この辺りに友達いるなんて知らなかった。」
「あー、最近仲良くなった奴だから。じゃ、待ち合わせだから行くわ。」
「うん、またね。空いてる日メールしてよ?」
手を挙げただけの返事をしながら、私の家とは反対方向に聡は歩いていった。
後ろ姿。そのポケットには、今日はちゃんと財布が入っている。