パズルのピースを繋いだら
聡からメールが来ないまま二日が過ぎた。
しびれを切らした私は自分からメールを出し、明日会う約束を取り付けた。泊まっていけばいいと言ったのに、明後日の朝早くからバイトだから帰ってしまうらしい。
遅番の勤務を終えて帰宅する。新商品の陳列も行ったため、午後十時を回っていた。駅の構内を突っ切って自宅のある西口へ出た。
歌が聴こえる。
じゃかじゃか音楽をかけて踊る少年少女の向こう、歌の出処はあった。
この辺りはよく音楽で溢れているから特別気にかけたことはない。時々耳心地のいい音楽を見つけると、その音楽に意識を寄せながら通り過ぎるだけ。
今日もそうしようと、歌の方へのんびり歩いた。まだ熱の残る地面から暑さが湧き上がる。