パズルのピースを繋いだら
「彼氏と別れた亜梨実ちゃーん。」
ぷっつん。大声でそう叫ばれ、頭の中で何かが切れる音がした。
踵を返し、野方瑛の元へずんずん歩く。
「大声であることないこと言わないで!」
本当に何がしたいのか、こいつは。私を困らせたいだけ?私が何かした?
「じゃあ無視すんなよ。」
「なんでよ。」
「俺ら知り合いじゃん。」
「私はあんたと知り合いになった覚えはない!」
この前パンケーキ奢ってあげたのになー、と野方瑛はいたずらに笑った。
つい、ほんの少し前まで、いい歌かもなんて思ったことは取り消しだ。
「何なの?何がしたいの?私を怒らせてどうしようって言うの?」
最後に会った時の聡の後ろ姿が浮かぶ。片手を上げた青いTシャツ、尻ポケットに財布の入ったジーンズ。