パズルのピースを繋いだら

目当てのシャンプーを手に取った後で急にアイスが食べたくなり、アイス売り場に向かった。

すると。


「あ、亜梨実!」


目の前に見覚えのある男が現れた。

額の上部分の髪をちょんまげに結って、よれよれのTシャツとハーフパンツを履いている。いかにも部屋着といった格好だから一瞬わからなかったが、すぐに不快感が押し寄せる。


「何してんの?」

「別に。あんたに関係ないでしょ。」

「まあ、いいから向こう行け。」


野方瑛は通せんぼをするように私の前に立ちはだかった。そればかりが肩を押してくる。


「ちょっと、さわらないでよ!」

「はいはい、わかったから、回れ右。」

「意味わかんない、私は向こうに用があるの!」

「後にしろ。」


毎回毎回理解不能な行動を取られるが、今回ばかりは本当にわからない。やっぱり嫌がらせがしたいだけなんだ。
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