パズルのピースを繋いだら
「ばーか、期待してんじゃねえよ。」
ぱっと離れた聡は悪戯っ子のような笑みを浮かべた。してやられたらしい。
「もうっ!期待なんかしてない!」
「嘘だな、えろい顔してたもん。」
「聡の意地悪。」
顔が赤いのがわかる。
少々強引なのはいつものことだけれど、その甘美な荒さに私はいつも酔ってしまうのだ。
歩みを進めてゆく。駅前広場には、ブレイクダンスをする十代らしき集団、スケートボードで跳ねる少年、ギターを胡座に乗せている人。
その人たちの間を縫うように駅へ。繋いだ手を更に強める。もうすぐ着いてしまう。