パズルのピースを繋いだら
そっちが実力行使でくるなら、こっちも。
「痛っ。」
擦れたサンダルから飛び出ていた足の指を思いっきり踏んづけた。その隙に脇をすり抜けアイス売り場に向かう。
「いやー、バニラアイスはスーパーカップだろ。」
聞き慣れた声が、あった。
「私は爽の方が好きだな、スーパーカップ濃いもん。」
「ばーか、その濃さがいいんだって。」
私は咄嗟に商品棚の陰に身を潜めた。腕が、脚が、震えている。
「ほんっとこだわり多いよね。カレーだってバーモント以外認めないって言ってたし。」
「俺はただ美味いもんが食いたいだけ。」
「作るのは私なんですけど。」
その女の子の口ぶりは不満気だが、顔はにこやかだ。楽しんでいる風でもある。