パズルのピースを繋いだら
Tシャツにジーパンというラフな格好の男と同じく、ピンク色のカットソーにショートパンツを履いただけの女の子。気取っていない。
「はいはい、いつもありがとうございますー。」
「きゃー。」
男が、ショートカットの女の子の髪をくしゃくしゃに乱した。その不器用な乱暴さには覚えがある。
二人は男の持っていたカゴにそれぞれアイスを入れると、腕を絡ませながらレジの方へ歩いていった。
棚の陰から出て、二人の後ろ姿を眺める。
何故ここにいるのだろう、帰ったはずなのに。どうして隣にショートカットの女の子がいるの。
栗色の髪。それは間違いなく、聡だった。
手から詰め替えのシャンプーが滑る。ぱたん。呆気ない音で落下した。
少しの間茫然と立ち尽くしてから、踵を返した。頭が混乱しているのに、思考が停止している。