パズルのピースを繋いだら

職場と家を往復する毎日が過ぎていった。一度だけ、早番の日の仕事終わりに高校時代の友人と食事をしただけで、あとは文字通り仕事と家事しかしていない。

聡からの連絡はない。

いつもメールするのは私からだったけれど、聡は遅くても返事をくれていた。私から送らなかったら、こんなにもあっさりと何もなくなるものだと逆に笑えてしまうくらいだ。

今日は仕事が休みで、午前中に少し出かけてからは家でひとりぼんやりとしていた。

すっかり夜になってから、部屋着ですっぴんのまま家を出た。行くところがある。

住宅街を通り抜け、右折すると駅前通りに入る。そこをずっと進むと、若者がちらほら集まっている開けたスペースがある。

体にぴたっと沿った服で踊る女の子たち。バスケットボールを使ったダンスをする少年。いた。
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