おててがくりーむぱん2
画面の中央に、大きな写真。
孝志と光恵が、ベッドの上でセルフショットを撮っている。
なんで、これ……。
孝志は上半身裸で、笑顔で光恵の頬にキスをしている。
光恵はシーツで胸元を隠しているだけだ。
これ、石垣島で撮った……写真。
光恵はデスクにかけ戻って、自分のスマホのカメラロールを確認する。
確かに同じ写真だ。
光恵は白鳥先生に振り向く。
彼女は興味がないというように、デスクに向かい続けていた。
「先生、佐田孝志と付き合ってんの? 冗談抜きで?」
野島が信じらんないというような表情で、光恵の顔を凝視する。
足ががくがくする。
しっかり立とうと思うのに、何かにつかまっていないと、崩れ落ちてしまいそうだ。
「すごい勢いでリツイートされてるよ。もうYahoo!の話題ワードにのぼってる」
「……す、すみません」
「まずいなあ、コレ」
野島が腕組みをして眉をしかめる。けれどその顔はどこか楽しそうだ。
「名前もばれてる。どこからこんな写真が出たんだろうな」
野島が言った。