おててがくりーむぱん2
ひどい誤解。
孝志は「くそっ」と小さく吐き出した。
思わず「誤解です」と書き込もうとしたが、なんとか思いとどまった。今この現状では、どうやったって無理だ。下手をしたら、光恵にもっと非難が集まる。
ミツ。
なんとか会いたい。
でも会いにいけない。
どうやって連絡を……。
そこでふと、佑司の顔が頭に浮かんだ。
孝志はポケットに入れていた自分の財布から、佑司の名刺を取り出した。ビジネス用のメールアドレスが書いてある。
孝志は頭をぶんぶんと振った。
あいつは駄目だ。
あいつはこれをチャンスとばかりに、光恵を奪うかもしれない。
他に誰かいないか。
劇団の三池さん? いや、三池さんは今海外だった。そもそも連絡先がわかんないし。
再び名刺を見つめる。
あいつは少なくとも光恵を傷つけないはず。
孝志は意を決して、佑司宛にメールを書き始めた。