おててがくりーむぱん2
「二人のこれからを考えるいい機会だと思いなよ」
佑司が、励ますように光恵の手をぽんぽんと叩いた。
「しばらく俺も助けるから」
「悪いね……」
「いいって。買い物ぐらいなら、俺だってできる」
「買い物?」
光恵は首を傾げた。
佑司は気まずそうにちらっと窓の外を見やる。
「たぶん、雑誌記者だと思うけど。何人か立ってるんだ、この周り」
「そっか」
光恵は、ここは安全だと思うことで保たれていた精神の均衡が、崩れ始めるのがわかった。さっき塾から帰って来たときの恐怖が甦る。思わず両手で自分の身体を抱きしめた。
佑司は立ち上がり、光恵の側に膝をつく。そして、青ざめて硬直している光恵をそっと抱きしめた。
「大丈夫。俺が側にいるよ。佐田さんがいない間、俺がちゃんと守ってやるから」