おててがくりーむぱん2
「はい、ちょっと待って」
孝志は慌てて目をこする。それから「どうぞ」と声をかけた。
「こんにちわ」
佑司が顔をのぞかせた。
孝志は胸の中がもやもやとする。
あいつは気に入らない。
でも俺のメッセージを届けてくれた。
一応、礼は言っておかないと。
蛍光灯が白く光る控え室に、佑司は入って来た。パイプ椅子を引っ張って、孝志の向かい側に座る。
「鈴木さん、この間はどうもありがとうございました」
「いえ、僕も光恵のところに行こうと思っていましたから、ついでです」
いちいちカチンとくるな。
「ミツはどんな様子ですか?」
「彼女は、そうですね、憔悴していた」
「ですよね……メールだけでは、あまり分からなくて」
「どうするつもりですか?」
佑司が訊ねた。
孝志にはわからない。素直に「わかりません」と答えた。