おててがくりーむぱん2
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割と理性がきくほうだった。
冷静すぎておもしろくないって言われたこともある。
信念だってあるし、善悪の判断もできる。
でも孝志と離れるかと思ったら、自分がコントロールできなくなった。
あんなこと、するべきじゃなかった。
結婚を破綻させるのは、孝志ではなく、自分だったんだ。
こんなにも彼を必要として、こんなにも彼に依存してた。
実家の自分の部屋で、一人ぼんやりとする。
ぼんやりとするしかない。
他にやることがない。
すべての気力が失われ、肌はかさかさ、プチおっぱいは、プチでさえもなくなった。
食べ物がのどを通らないし、いつも軽い吐き気を感じている。
孝志からの連絡はない。
まだ携帯を取り上げられているのか、それとももう、終わりなのか。
モスグリーンのベッドカバーの上に転がって、真っ白な天井を見つめる。
孝志から仕事を奪ってしまった。
脳裏にはいつも、孝志が舞台に立つ姿が浮かぶ。
光恵の隣で笑っていた姿じゃない。
舞台での彼の姿。
あの人、最高の役者だったのに。
わたしがその仕事を奪ってしまった。