おててがくりーむぱん2
ノックの音。
「何?」
光恵は気だるい返事を返した。
木の扉がそっと開き、その隙間から母親が顔をのぞかせる。
「光恵、お客さんよ」
光恵の鼓動が不規則に動き出す。
孝志?
「誰?」
「鈴木さん」
佑司……。
そっか、そうだよね。
「この部屋案内してもいい?」
「うん……ちょっと待って」
光恵はよいしょっとベッドから起き上がると、鏡の前で姿を確認した。
どんなに手直ししようとも、どうにもならない感じだ。
まあ、いいや、どうでも。
「いいよ。入ってもらって」
光恵は言った。