おててがくりーむぱん2


「オメデトウ?」
光恵はしばらく考えて、それからがばっと身体を起こした。


「何? どれがひっかかった?」
「SBCシナリオ大賞」
「の?」
「大賞!」


「うそーっ」
光恵は椅子から跳ね上がった。


「社長に電話きてたよ。もう、社長も小躍り」
「やったーっ」
光恵もデスクの前で、恥ずかしい小躍りしてしまった。


SBCシナリオ大賞は、数多ある賞の中でも一番イイ。
なんてたって、ドラマ化されるからだ。
しかもうまくいけば、SBCで書きつづけられるかもしれない。


「皆川サーン」
社長室から、声がかかる。


「はいっ」
光恵はテンション高く、社長室に入って行った。


「もう聞いた? この会社からは、快挙だよ。おめでとう」
「ありがとうございます」
「いやあ、うちも、箔がつく」


ちょっと太りだした、40歳過ぎの社長が、にこにこしながら言った。


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