おててがくりーむぱん2
オレンジ色の光をあびて、孝志が立っている。
「おいで」
小さな声で、光恵に呼びかけた。
ふらふらする。
何がどうなっているのか、全くわからない。
寝不足のせいで、起きながらに夢を見ているのか。
それとも、ただの、夢なのか。
孝志の側に行くと、一斉にフラッシュがたかれる。
みんなの視線が集まって、光恵は卒倒しそうだ。
「俺の言った通りだっただろ?
また、君に会えた」
孝志はポケットから、指輪を取り出し、光恵に見せる。
「あ……これ」
光恵は思わず口に手をやる。
「時はゆっくり流れて、無理をしなくても、我をはらなくても、自然と一緒にいられる時がくる。今が、その時だと、思わないか?」
光恵の中に、押さえていた感情の波が押し寄せる。
我慢できずに、光恵は目をこすった。
「皆川光恵さん、僕と、結婚してください」