おててがくりーむぱん2
すると突然「あ!」と光恵が声をあげた。
いいとこなのに。
なんだよ。
孝志は唇を突き出して、不満な顔をして見せた。
「こんなことして、事務所に叱られない?」
今度は光恵が慌てはじめた。
「また、仕事なくならない? ネットでバッシングとか……」
「大丈夫だと思うよ。事務所も認めてるし」
「そうなの?」
「プロポーズするならかっこ良く、派手にやんなさいって、志賀さんが」
「……ほんと?」
にわかには信じられなさそうな光恵が、眉間に深く皺を寄せる。
孝志は自分の携帯をポケットから取り出し、検索サイトトップページを出す。
「ほら見て。ニュースになってる」
「……早いね……」
「ちょっと待って」
孝志はタイムライン検索をかけた。それから光恵に画面を見せる。
「六年も待ったって、すごくない?」
「すごいロマンチック」
「憧れちゃうなあ」
「二人とも、すっごい頑張ったんだね」
「おめでとう、お幸せに」