おててがくりーむぱん2
「いや……その……」
光恵はどうしたらいいのか分からず、口ごもった。
白鳥先生は、自分のデスクからずるずると椅子を引っ張ってくると、光恵の隣にぴたっとくっつけ、座った。
ちょっ、顔が近いんですけども。
こわいいいいいい。
光恵は泣きたくなって来た。
「あなたを恨んでもしかたないこと……だから、お祝いすることにしたわ」
白鳥先生が笑いかける。
そんな、恐ろしげに言われても。
「お相手の方って、どんなひと?」
白鳥先生が、そっと光恵の手を握る。
なんで???
なんで握る?
「あの、普通の人です」
「普通……それが一番よね……」
白鳥先生が、静かに溜息をついた。
「おいくつ?」
「同じ歳です」
「お仕事は?」
白鳥先生にそう聞かれて、光恵はぐっと詰まった。
「えっと……普通の……」
「普通の?」
「普通の、そう、サラリーマンです」
白鳥先生が「お給料のいいサラリーマンなのね。あんな車のって」と言う。
ああ、なんだか、すっごく責められてる気がする。