おててがくりーむぱん2
「どこで知り合ったの?」
「えっと……大学時代の同級生です」
どうしてぱっとこんな嘘が出てくるのか。
自分自身が恐ろしい。
っていうか、白鳥先生が怖すぎる。
「今度一緒にご飯食べましょうよ。紹介してちょうだい。皆川先生の好きになる方って、どんな人か気になるし」
「はあ……」
「もし、婚約者の方にお友達がいらしたら、その人も連れて、ね」
白鳥先生の手が、ぎゅううううっと光恵の手を握りしめる。
なるほど。
男性を紹介してほしいってことなんだ。
光恵はやっと白鳥先生の企みが分かって来た。
「そ、そうですね」
光恵は曖昧に笑って返す。
孝志の友達って……劇団の仲間か、一緒にドラマをした俳優とか?
いやいやいや!
実際に、孝志を連れて行くわけにいかない。
あったり前だ。
「約束よ、皆川先生。わたしはお祝いしたいんだから」
白鳥先生がにっこりと笑う。
「はい……」
光恵に頷く以外の選択肢はない。
どうしよう。
どうやってごまかし続けるか……。
光恵がフルスピードで考えを巡らせていると「皆川せんせー」と事務方から声がかかった。