おててがくりーむぱん2
孝志は微笑むと、身体をひねってナイトテーブルの引き出しを開ける。
手には、濃紺のジュエリーケースがあった。
孝志は光恵に向かってケースを開くと、中には小さなダイヤモンドがついたデザインリングが見える。
「孝志、これ……」
光恵は信じられない気持ちで、孝志の顔を見上げた。
「光恵さん、結婚してもらえませんか?」
光恵は思わず口を手で押さえる。
「死ぬまでずっと、一緒にいてください」
普段はまるで子どもだけれど、キメるときはキメてくる。光恵は涙を浮かべながら、笑顔になった。
「答えは?」
光恵は孝志の目を見つめて「はい」と言った。迷いは少しもない。だってこんなにも、彼のことが好きなんだもの。
孝志の顔がぱあっと明るく輝く。指輪を手に持ち、そっと光恵の指にはめた。
「大きなダイヤモンドのついたリングもいいけれど、それじゃあ毎日つけられない。これなら毎日はめてくれるだろ?」
「うん」
「大好きだよ」
「うん、わたしも」
光恵は孝志の首に抱きついた。