おててがくりーむぱん2


夜の九時すぎ。孝志は、ミツの塾の玄関が見える角に車を止め、ライトを消した。


蛍光灯に照らされた玄関から、授業を終えた子供達が続々と出てくる。中学受験など経験したことのない孝志は、こんな夜遅くまで勉強しなくてはいけない子供達が不憫でならない。


最近の子供は大変だな。


孝志はそう考えてから、ミツと子供を作ることを想像する。


男の子がいい。
元気でミツに似てカワイイ子がいいな。
頭はもちろんミツみたいに良くて、運動は……そうだな、俺に似てもいい。
でもそこだけ。
あとは全部ミツ。
ミツみたいな子供。


孝志は暗い車内でにんまりした。


子供達がいなくなってしばらくすると、ミツが玄関から出て来た。


やっぱ、ミツは俺の女神。
めちゃくちゃかわいいなあ。


クラクションをならそうと手をハンドルに近づけた時、孝志はふと気がついた。


あ、誰かいる。


ミツは玄関前で手をあげ、それからその「男」に歩み寄った。
孝志は口をあんぐりと開ける。


あいつ、誰???!!!




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