木曜日の貴公子と幸せなウソ
想いの行方
じっくり面談……。
まるで教師みたいな口ぶり。
「……面談って」
「ああ、オレ言ってなかったっけ?職業、高校教師」
「……えっ?」
こ、高校教師……?
先輩が?!
「ウソ……」
「ウソじゃねーよ。数学の担当。んで、2年C組の副担任。後、バスケ部の副顧問」
信じられないという私に、先輩は不機嫌そうな顔で答える。
じゃあ、先輩は高校を卒業した後、結婚して、その後に大学に入ったとか?
だって、高校の教師って、大学行かないとできないよね?
まさか無免じゃあるまいし。
「目標としていた大学は結構レベル高くて。だから、高校の3年間は必死に勉強したんだぜ?でも、おかげで推薦入試で合格できたから、良かったんだけど」
「……推薦で合格?」
「だから言っただろ?オレは進路決まってるから、萌の勉強はしっかり見てやれるって」
いや、推薦で合格したとは聞いていないけど。