木曜日の貴公子と幸せなウソ

想いの行方



じっくり面談……。

まるで教師みたいな口ぶり。


「……面談って」

「ああ、オレ言ってなかったっけ?職業、高校教師」

「……えっ?」


こ、高校教師……?

先輩が?!


「ウソ……」

「ウソじゃねーよ。数学の担当。んで、2年C組の副担任。後、バスケ部の副顧問」


信じられないという私に、先輩は不機嫌そうな顔で答える。

じゃあ、先輩は高校を卒業した後、結婚して、その後に大学に入ったとか?

だって、高校の教師って、大学行かないとできないよね?

まさか無免じゃあるまいし。


「目標としていた大学は結構レベル高くて。だから、高校の3年間は必死に勉強したんだぜ?でも、おかげで推薦入試で合格できたから、良かったんだけど」

「……推薦で合格?」

「だから言っただろ?オレは進路決まってるから、萌の勉強はしっかり見てやれるって」


いや、推薦で合格したとは聞いていないけど。

< 137 / 207 >

この作品をシェア

pagetop