木曜日の貴公子と幸せなウソ
「告白の意味?」
「はい。何で私なんですか?成瀬先輩の彼女になりたい、可愛い女の子いっぱいいるじゃないですか」
「君だって可愛いよ?」
「……意味がわかりません」
私が可愛いだなんて、おかしい。
首をかしげながら答えると、成瀬先輩は私を抱き寄せた。
頬が先輩の胸に当たる。
「どうしたら信じてもらえる?オレが君を好きな事」
この言葉は、本物なのだろうか?
私を抱き寄せる腕が、かすかに震えている。
「あの……すみません」
「……あ、いや、こっちこそ、ごめん」
顔を上げて言うと、成瀬先輩は私から離れた。
慌てたような顔で、そっぽを向く。
……少し顔が赤いけど、気のせい?