木曜日の貴公子と幸せなウソ


先輩が卒業するまであと半年しかないけれど、同じ校内で過ごす時間を大事にしていきたい。

一緒に帰って、途中寄り道をしてみたり。

休みの日は待ち合わせをして、デートできたらいいね。

試験前は一緒に試験勉強をしてみたい。

あー、でも、先輩は受験の準備があるのかな?

進路とか決めているのかな?

そういえば、先輩が自転車通学なのか電車通学なのかも知らない。


「……ふっ」


1人で笑ってしまった。

始まったばかりだというのに、一気に色々な事を考えてしまう。

恋ってそんなものだよね……?





「すごいよ、萌!」

「リサ、声が大きいって……」


教室に戻ると、リサがニコニコしながら私を出迎えてくれた。

成瀬先輩と付き合う事になったと話をしたら、目を輝かせて興奮するリサ。

私は周りを見回しながら、リサをなだめる。

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