木曜日の貴公子と幸せなウソ


「でも、よくあるじゃん?久々に同窓会に行って、昔の恋を思い出しちゃったとかさ」

「一般的にはあるかもだけど、私は絶対にないから」


そう言って、私はカシスオレンジを一気に飲み干した。


「……それならいいけど」

「そうだよ。それに、先輩は自分の子なら溺愛しちゃうって言ってたし。そんな人が自分の子どもを裏切るようなマネをするとは思えない」

「まあ、確かにね」


そうだよ。

7年の月日が経過したとしても、そういう思いは変わらないと思うし。


「辛い事があったら、いつでもぶちまけなよ?1人で悩むのが一番ダメなんだからね」

「……うん」


リサに励まされてしまった。

これは私が高校生の時に、自分でためこみすぎたせいでもある。


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