木曜日の貴公子と幸せなウソ
つ、疲れる……。
朝……しかも、週の始まりの月曜日だというのに、物凄く疲れた。
今、ちゃんと笑えていたよね?
まさかとは思うけど、先輩は奥さんに話していないよね?
私が元カノだったっていう事は。
いや、元カノとも言えないか。
単なる遊び相手だったわけだし。
……話すわけないか。
話を聞いたところで、いい気分なんて誰もしない。
「萌先生ー!おはようございます!」
「おはようー!」
自分のクラスの子に声をかけられ、私はすぐに笑顔で向き直った。
とにかく、今は仕事に集中しよう。
どんなに考えても状況は何も変わらない。
極力、先輩と会わないようにすればいいだけなんだから……。
動揺すればするほど、ズルズルとマイナスな方に引き込まれていくだけだ。