木曜日の貴公子と幸せなウソ


つ、疲れる……。

朝……しかも、週の始まりの月曜日だというのに、物凄く疲れた。

今、ちゃんと笑えていたよね?

まさかとは思うけど、先輩は奥さんに話していないよね?

私が元カノだったっていう事は。

いや、元カノとも言えないか。

単なる遊び相手だったわけだし。

……話すわけないか。

話を聞いたところで、いい気分なんて誰もしない。


「萌先生ー!おはようございます!」

「おはようー!」


自分のクラスの子に声をかけられ、私はすぐに笑顔で向き直った。


とにかく、今は仕事に集中しよう。

どんなに考えても状況は何も変わらない。

極力、先輩と会わないようにすればいいだけなんだから……。


動揺すればするほど、ズルズルとマイナスな方に引き込まれていくだけだ。


< 65 / 207 >

この作品をシェア

pagetop